7月21日読書記録
津村 私、好きな店でも常連になるとすぐ、行くのやめちゃう人間なんですけどね。
「いつもありがとうございます」って気に入ったビビンバ屋で言われて、もう行かなく
なった。人として個体認識されてしまうと居心地悪くなるんです。
深澤 私も自意識過剰で人見知りなので、常連扱いされると、すぐ心のブラインドがパ
サッと下がります(苦笑)。
津村 深澤さんの本に「嫌な予感は当たる」って書いてあったじゃないですか。私は実
は、最初の会社にあんまりいい感じがしてなかったんです。それが当たりました。
深澤 いい予感って「こうなってほしい」っていう妄想にすぎないから当たらない。で
も、嫌な予感って自分の人生の中の蓄積から導き出されてることだから、精度が高いん
ですよ。だから、もし他の選択肢があるなら、嫌な予感がする会社にははいらないほう
がいいけれど、選択肢が他になければ、とりあえず嫌な予感のする会社に入ってみて、
「あ、嫌な予感当たった。私の勘は間違ってなかった」って確認だけして辞めるのでも
いい。
深澤 親身になってくれる人には、自分のネガティヴなところをあんまり開示しないほ
うがいいんですよ。相談した相手のほうが自分以上に傷ついちゃったりすることがあい
ますよね。私に起こったトラブルなんだけど、夫やスタッフがそれを聞いて傷つきそう
なことは、すぐに伝えないで少し置いて面白く話せるようになってから「実はこんなこ
とがあってさぁ」と言ったり、私の中で処理できてからじゃないと言わないようにして
います。親身になってくれる人はすごくありがたいし、そういう人がいるからやってい
けるのは事実なんですけど、そういう人の顔色だけ見ていると甘やかされてしまって大
変なことになっちゃう。要は、助かってはいるけど役に立たないんです(笑)「助かる
けど役に立たない人」と、「助からないけど役に立つ人」っていますよね。
ダメをみがく“女子"の呪いを解く方法 “女子"の呪いを解く方法 (集英社文庫)
- 作者: 津村記久子,深澤真紀
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2017/01/20
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログを見る